輪島塗作家の作品展が、大阪市東住吉区のカフェ・ギャラリー「g-fortune(ジー・フォーチュン)」で3月17日(日)まで開催されています(3月12日はお休み)。
ギャラリーには被災を免れた作品が展示・販売されており、クラウドファンディングへの協力も呼びかけています。一刻も早く輪島塗の工房を再建し地域の職人さんらの活動の再起をはかるためです。
展覧会のことは南田辺の吉田園さんに教えて頂き、足を運びました。展覧会の主催者、スザーン・ロスさん本人がおられ、お話を伺いました。
展覧会の開催と資金提供のよびかけの経緯
地震で輪島の山あいにある工房は倒壊し、建物の中にいたスザーンさんはどうやって逃げ出したのかも覚えておられないそうです。
一方、まちなかにあったギャラリーは奇跡的に火災から免れました。
輪島塗は工程を細かく分業して作り上げていくので、担い手が欠けては成り立たなくなるのとのこと。職人の仲間の活動が途切れないためにも、漆器の製作を受け付けていく取り組みを初めています。
それは時間との闘いであり、輪島で実現するには時間がかかります。そこで自身の拠点として当面は金沢で茶室を借りる段取りがついて、そちらを工房に改造して漆器などの製作を再開したいと考えました。輪島に近い場所なので、仲間とも連携がとれるのだそうです。輪島塗の危機を訴え、その資金を得るために今回の展覧会と資金提供の呼びかけを始めたのです。
今回の展示会では、大型の作品を除いて、ギャラリーにあった全ての作品を展示しています。
作品は、漆器をはじめ、ピアスやネックレスなどのアクセサリー、そして漆を使った絵やなど。どの作品も漆の魅力を活かしてデザインされ、手頃な値段で購入できます。
会場が100年ほど前にに建てられた民家で、外観からはわからないのですが内部は当時の様式がよく残されていて作品となじみます。
輪島塗を盛り上げるための新しい試み
スザーンさんは震災前から輪島塗をもう一度盛り上げたいと新しい取り組みを始めていました。日本人は輪島塗の漆器を使わなくなっている、美しい料理を美しい漆器に盛り付けて頂く日本古来の美意識は失われつつあるのではないかと、彼女は憂いていました。そこで、今のライフスタイルに合う漆の使い方を模索し始めていました。
たとえば、絵の画材やアクセサリーに漆を使ったり。暮らしの中で使われない限り、輪島塗の技も消えてしまうからです。男性が勾玉を身につけていた古代に着想し、ユニセックスの時代に対応したネックレスも創作。
そのような作品の展覧会を以前から開催しており、今年も秋に予定していました。それを実現したいという思いもありました。
スザーン・ロスさんのこと
スザーン・ロスさんは、輪島塗の作家です。
今から40年前、ロンドンの美術館で尾形光琳の硯箱に魅せられ、3か月か半年で漆塗りが習得できるものと来日。考えを改めて6年後に再来日し県の研修所に入り、一流の作家のもとでも修行を重ねます。漆塗りのすべての工程をマスターしましたが30年を経て行き着いた考えは、完全な漆塗りをマスターすることは困難なことであり「生涯をかけて美と神と自身の魂の探求」を行おうと作家活動を続けてこられました。
今回の復興の立ち上げは一人ではとてもできることではなく、今回の展覧会は旧知の陶芸家の阪本さん(東住吉区)の協力や、クラウドファンドについても出版社のスタッフが協力してくれたからできたこととおっしゃっていました。
●展覧会について
萌 芽 漆Suzanne Ross exhibition 3.6 – 3.17
展覧会の残り期間は3月13日㈬~17日㈰ 火曜日はお休みですのでご注意ください。
https://www.suzanneross.art/j_suzanne-ross-1
昭和初期の古民家のカフェが会場
閑静な住宅地の中の古民家の2階です。6年前に開業された素敵なカフェで、香り高い珈琲もいただけます。自転車置き場はありませんから徒歩でお越し下さい。最寄駅は地下鉄谷町線駒川中野駅から徒歩5分、近鉄今川駅から徒歩9分です。
3月12日㈫はお休みですのでご注意ください。
Cafeと雑貨 g.fortune
月曜・火曜定休 11:00-18:00
大阪市東住吉区東田辺1-11-12
●クラウドファンディングについて
https://readyfor.jp/projects/suzanne-ross
Bookmark