重い荷物、病院の日、保育所通いに助かる!オンデマンドバスを使ってみました

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もくじ

「呼べば来るバス」が阿倍野区内にも走りはじめました

大阪市内のいくつかの区で「オンデマンドバス」の社会実験が始まりました。大阪メトログループがグループが運営しています。

あらかじめ予約して、希望の時間や乗降場所を選んで利用できる新しいスタイルの乗合バスです。従来のバス停よりも停留所の数が多いことも特徴です。

移動できる範囲は、阿倍野区の場合は阿倍野区内と、阿倍野区に隣接する主要な駅が対象です(区をまたいで移動するには隣接区のバスを乗り継ぐことになります ※詳しくは最後の「つづき」をお読みください)。

筆者が実際にオンデマンドバスに乗った体験と公式サイトの情報をもとに、「どんなときに便利なのか」「どう予約するのか」「いくらかかるのか」をわかりやすくご紹介します。

大阪メトロホームページより

実際に運転手さんに聞きました:どんな利用が多いの?

夕方に買い物を終えた女性の方が阿倍野キューズモール周辺から自宅近くまでオンデマンドバスで帰られるケースが多いそうです。

また、近所の診療所や病院への行き帰りに利用される方も多く、朝の通勤時間帯に駅までのアクセスとして使っている方もいるとのことでした。

8人乗りのオンデマンドバスは、予約した複数の方が相乗りになることを想定して、それぞれの目的地に合わせてAIが最適なルートを組み立てながら走ります。

複数のお客さまの乗り降りに合わせるので、最短距離ではなく少し遠回りになることもありますが、地域の足として多くの方が一緒に利用できる仕組みになっているのですね。

さっそく、重い荷物を持ち帰るのに使ってみました。

コーナン天王寺店(ホームセンター)でガーデニング用の土や肥料など、普段から欲しかったものをまとめ買いした帰り道、荷物がめちゃくちゃ重くなりました。

地下鉄を使う場合は最寄りが昭和町駅になり、店から駅までかなり歩かなければならず到底無理、自転車で走るにも危ない重さでした。

マンションの管理組合で使う寒肥やら土やら

そこで、コーナン天王寺店のちょうどすぐ前にオンデマンドバスの乗降場所(バス停)があったため、そこから「西田辺」方面への便を予約してみました。使ってみると、

「重い荷物や揺らすことができないケーキなどの品物を徒歩や自転車では運べない」

「お医者さんまで歩いては無理」

「最寄り駅まで歩くのがつらい」

といった場面で、とても助かる移動手段だと感じました。

予約の方法から乗車まで:スマホでも電話でもOK

(1)事前準備:一度だけ登録しておきます

スマートフォンをお持ちの方は、ホームページのオンデマンドバスの予約ページや、「eMETRO」アプリをダウンロードしておくか、LINEのオンデマンドバスお友だちもあるので、そこで利用者登録をしておきます。

氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどを登録。その後はログインするだけで予約ができます。

トップページの「オンデマンドバス予約」から

(2)スマートフォンからアプリで予約するときの流れ(今回の体験)

利用した日は1時間前(は平日の正午頃でした)に、地図の「南部」から阿倍野区を選んで、乗る場所「コーナン天王寺近く」と降りる場所「西田辺の乗降場所」を地図で見つけてタップし設定しました。

https://maas.osakametro.co.jp/odb/area/abeno

次に、利用する日と出発希望時間、利用人数を選びます。「13時ごろに迎えに来てもらえるか」を指定して検索すると、すぐに結果が表示され、「13時に乗車、到着は13時10~15分ごろ」といった目安時間が示されました!

停留所に到着する時間にあわせて買物などの行動するのがコツですね。

表示された便を選んで予約すると、予約内容(乗車時間・乗降場所・車両の情報など)がアプリ上で確認できます。

到着時間よりも早く着きました

(3)乗車当日の流れ

買物したものをもって、予約した時間の少し前(13時の5分ほど前)にコーナン天王寺店前の乗降場所に向かいました。

時間ちょうど、ほぼ13時ぴったりに車が到着。乗車時に運転手さんに予約内容を確認してもらい、荷物も安心して積み込んで出発し、7分後には西田辺停留所に到着しました。

こちらは既存のバス停の併用ですが、オンデマンドバス用の停留所がたくさん設けられています
西田辺の停留所(既存のバス停が活用されています)

(4)電話で予約したいとき

スマホが苦手な方やお持ちでない方は、電話予約が便利です(コールセンター050-3355-8210/7:00~17:00、年中無休・通話料必要)。

乗りたい場所(例:〇〇店前、〇〇交差点近く など)、降りたい場所(最寄りの駅や自宅近くの乗降場所)、乗りたい時間をオペレーターに伝えます。

オペレーターが空き状況を検索し、「○時○分ごろにお迎えできます」といった案内をしてくれます。

でも、検索や予約にはアプリ(e-METROアプリ)の利用が早くて便利です。一度使ってみると慣れますので、ご家族やお孫さん、知り合いに操作方法を教えてもらいましょう。

アプリはこちらから→ https://www.osakametro.co.jp/page/emetro_app_page.php

どんな車が来るのか?

阿倍野エリアのオンデマンドバスには、8人乗りのワンボックスタイプの車両が使われています。区内に数台稼働中とのこと。

車内は路線バスよりも座席の間隔に余裕があり、予約制なので必ず座れるのが大きな安心感です。

運転手さんはとても感じがよく、重い荷物にも配慮しながら安全運転で目的地まで運んでくださいました。

料金や運行時間など:社会実験としての概要

阿倍野エリアの運賃は、大人1回210円、小児110円です(身体障がい者手帳などをお持ちの方には割引運賃もあります)。

支払い方法は、現金のほか、クレジットカードやアプリを通じた決済が利用できます(PiTaPaなどのICカードは使えません)。

阿倍野を含む多くのエリアでは、運行時間はおおむね9:00〜19:00とされており(エリアにより異なる場合があります)、アプリやLINEからは「3日前から当日まで」予約が可能です。私の場合、当日の1時間前に予約しました。

電話予約は毎日7:00〜17:00に受け付けています(050-3355-8210/通話料金がかかります)。

ところで、たまたま利用者が多くてなかなか予約ができない場合もあるかと思います。

その時は、乗車したい停留所の逆方向の乗降場所から予約してみると意外と予約できたりすることもあるそうです。いろいろ試してみてください。

こんな方におすすめです

スーパーやホームセンターでの「まとめ買い」の日など、重い荷物を抱えて移動するのが大変なとき。ただし、あまりに大きな荷物は載せることできるか確認しましょう。

◆長い距離の歩行が負担になってきたご高齢や体調がよくない方で、「家の近くまで、できるだけ無理のないように移動したい」と感じているとき。

◆診療所や病院、区役所など、生活に欠かせない場所への移動手段を確保したいとき。

通勤、保育所や塾への子どもの送り迎えなどで、「必ず座って移動したい」「時刻表に縛られず、予約して乗りたい」という希望があるとき。

最寄り駅から遠い場所に住む知り合いを見舞いにいきたい。 などなど

春から自転車利用のルールが厳しくなりますし、遠出に使うのも加齢に伴って危険ですから、このような交通があれば本当に助かります。

おわりに:まずは一度、短い区間で試してみませんか?

阿倍野区のオンデマンドバスは、「呼べば来るバス」として、日々のくらしを少し楽にしてくれる新しい移動手段です。

スマートフォンがあればアプリから簡単に予約できますし、電話予約ならオペレーターが丁寧に案内してくれます。

重い荷物の日や病院への通院など、まずはご自分がよく使うルートで一度試してみて、「自分の生活のどこで使いやすそうか」を探してみていただければと思います。

本記事の内容は、執筆時点の公式情報および実際に利用した際の体験に基づいています。最新の運行情報・運賃・予約方法については、Osaka Metro オンデマンドバス公式サイトをご確認ください。

また、地図付きのパンフレットもあるので、自宅に貼っておくと便利です。

https://maas.osakametro.co.jp/odb/

オンデマンドバスは、大阪市とOsaka Metro Groupが進める「AIオンデマンド交通」の会実験の一環として導入されています。高齢化やバス運転手等の担い手不足への備え、鉄道・バスとの乗り継ぎ向上などをめざしています。

人口減少時代を迎えて、地域で暮らすのに重要な足になりそうです。実験期間にみんなで上手に使っていろんな経験を積んで、長い目で育てていきたい乗り物ですね。

つづき:乗り継ぐ方法について(オンデマンドバスを使ってちょっと遠くまで)

乗り継ぎとは、区界の乗降場所で隣接区のオンデマンドバスに乗り継ぐことです。

停留所を掲載しているガイドブックをみると、2つの区が隣接している場所にあるいくつかの停留所が複数の色で表示されています。

隣の区のオンデマンドバスに乗り継ぎたいときに便利な乗降場所です。(たとえば、JR鶴ヶ丘駅、JR南田辺駅は東住吉エリアのオンデマンドバスとの共通乗降場所です)

鶴ヶ丘駅や南港通リ沿いの停留所がダブルの色になっています

最初の乗車予約時に表示される「到着予定時刻」を目安に、隣の区で乗り継ぐオンデマンドバスの出発予定時刻を設定し予約するのです。

(ただし、最初にのったオンデマンドバスの到着が遅れると次のオンデマンドバスには乗れなくなるので、余裕をもって到着と出発時間を設定する必要があります。もし乗り遅れたら、その場で次の予約を設定することになります。)

電車駅の乗り継ぎに似ていますね。でも、次の便を希望に応じて予約できるところが違います。なお、料金については乗継割引等はありませんので、別途料金が必要になります。

たとえば、阿倍野区の相生通りから東住吉区の湯里の方まで行く、といった場合などには最適ですね。

説明会も開催されています

最新情報は https://maas.osakametro.co.jp/odb/news/6838/

◇12月14日(日)9:00~17:00
 場所:【阿倍野エリア】デイリーカナートイズミヤ 昭和町

オンデマンドバスのことは https://maas.osakametro.co.jp/odb/

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この記事を書いた人

地域に密着するスタイルでまちづくりのコンサルティングに従事。その経験を活かして大阪ミナミの戎橋筋商店街の事務局としてエリアのプロモーションやリノベーションに取り組んでいます。一住民として地域活動では阿倍野区~東住吉区のbuylocal活動、町会活動、小学校での伝統野菜指導やまち歩きなどを行っています。

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